中等・大學・職業野球通信第1

−一高の宿願成る!横浜外人倶楽部に快勝!−

一高の大先輩正岡子規氏

 去る523日土曜日、東京帝国大学附属第一高等中学対横浜外人倶楽部の野球試合が行われ、294の大差をもって一高が快勝した。

 既に国内では敵なしと謳われていた一高は、再三にわたり横浜外人倶楽部に試合を申し入れていたが、519日交渉がまとまり、23日に試合となった。

 前日はあいにくの雨模様、試合開催が危ぶまれたが、外人倶楽部よりの「テンキヨシ、ナンジニクルカ(天気良し、汝逃ぐるか)」との電報に一高ナイン激怒し、応援団も含めた総勢400名が、一刻も早く横浜に馳せ参じようと新橋駅に殺到、駅員は整理に大わらわであった。実はこの電報、外人倶楽部によれば、「天気良し、何時に来るか」という電報だったということである。

 試合は3時に開始。一高の先発青井は初回緊張のあまり四球連発、適時打もあって4点を奪われた。しかし、一高はその裏2点を挽回、さらに2回裏には4点を奪って逆転、2回以降は青井が立ち直って1点も与えなかった。結局一高は9回まで実に大量29点を奪い、ここに294の大差をもって一高の勝利に帰したのである。

 横浜外人倶楽部はこの敗戦を大変悔しがり、早くも再戦を申し込んだ由、両軍の争闘からますます目の離せないこととなりそうである。

明治29526

 

 

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