6垣字銭

 製造地‐魏 製作年代‐戦国時代・BC四〇三頃 製作者‐魏の各王 材質‐銅 価格‐一万〜二万円

 魏という国は春秋五覇の一つである晋が韓・趙とともに三分裂してできた国で、この韓・魏・趙の三国が周王室から正式に国として認められたBC四〇三年をもって、中国は春秋時代から戦国時代に入る。魏は戦国時代の入っても強国で、戦国七雄の一つである。

 垣字銭はおそらく中国最古の円形銅銭である古圜法(こえんぽう)の一種で、製造法は極めて粗雑、鋳型から取り出した枝状のものを、刃物でぶったぎって切り離した後がはっきりと残っている。古圜法には「西周」「東周」といういかにも古そうな文字を持ったものもあるが、製作が周代のものとしては精緻すぎるし、だいいち西周や東周という国名は後の人の呼称であるから、自らそう名乗るはずもない。私は長い間売らんかなの偽物だと思っていたが、中国では実際に古い墓から出土するものもあるらしい。おそらく「西周」「東周」は国名ではなく地名なのだろう。なお、魏では刀幣や布幣も鋳造しており、布幣が主流だったという。

 

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