中等・大學・職業野球通信第9

−君は見たか!グローブの見えない球−

グローブ投手の投球フォーム

 

 現在来日している全米オールスターチームと早稲田大の試合が去る118日、神宮球場で行われ、早稲田が58で惜敗した。

 試合は全米フレンチ、早稲田伊達の投げ合いで6回まで117回、早稲田は風邪気味のフレンチを攻めて2点、代わった急造投手のゲーリッグから更に2点を奪って51となり、伊達が大正11年三田倶楽部小野三千麿以来の対大リーグ勝ち投手かと思われた。

 しかし、その裏伊達が突如コントロールを乱す。というより、主審リアドンの判定が急に辛くなり、四球連発の後の連打で、全米一挙7点。早慶戦3連投で勇名を馳せた伊達正男君も、審判を敵にしては如何ともしがたい。記者は教えを請われて審判を務めているのをいいことに自軍有利の判定を下すかつての一高OBを思い起こすほどであった。

 その8回からグローブが登板すると万事休す。グローブは本年アメリカン・リーグで314敗の超人的な活躍、その超速球は「スモーク・ボール(煙球)」とあだ名される剛速球投手。

 8回裏から9回裏までの早稲田は6連続三振。バットにかするものすらいなかった。日本の各打者は「球が見えないのだから打てるわけがない」と口を揃えた。

 夕暮れの神宮はマウンドが暗くセンターが明るく、球が見えにくいのは周知の事実だが、それにしても日本一流の打者に「見えない」と言わせるのだからグローブ君の大速球がいかに凄いものかがわかるというものだ。

昭和6119

 

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